2007年12月21日金曜日

生き抜くことができる人

では、具体的には、どんな人が生き抜いていけるのでしょうか。


 一つは、日本中、できれば世界中、どこからでも需要のある人です。
需要のある人とは、皆が本当に欲しいと思えるものを提供できる人の
ことです。


 先程も書きましたが、収入が限られてくるわけですから、人々は本
当に必要なモノと本当に欲しいものしか買いません。必要なモノは、
アジアの新興国が安価で良質なものを提供してくるでしょうし、そう
した国と同等の給与水準になった企業が対抗馬として提供するでしょ
う。対抗馬になれる企業の従業員は、近隣の新興国の人々と同じ低賃
金で働く負け組であり、必要なモノの提供を行う場合は、大規模資本
家としてビジネスを所有する以外は、勝機はないでしょう。


 でも、本当に欲しいものを提供することができれば、大いに成功す
るチャンスがあります。その理由として、まず需要があるということ、
そしてその価格は、価格競争に晒されていないので、いくらにつけて
もいいということが挙げられます(もちろん、マーケットにおけるタ
ーゲット層-セグメンテーションによっては限界があります)。


 そうした欲しいと思われるということは、人々の感情に訴える とい
うことなのです。


 私が考えるモノとして思い浮かぶものは、まずは、生活を彩るモノ
だと思います。いろいろあると思いますが、一例ですが、ファッショ
ン関係、特にアクセサリーのようなものは売れ筋になります。ただし、
現在のアパレルのような、きれいな有名店舗での有名ブランド販売と
いうようなものをイメージしてはいません。


 もっと個別的な、「ここにしかない」とか、 「わたしだけの~」
いった商品が、知る人ぞ知る的に売れていくのです。しかも、そうし
た商品は全国展開をするものではなく、地域限定で売られていたり、
優良店舗のバイヤーに認められて、密かに店舗におかれ、密かに売ら
れていくのです。


 現在ビジネスモデルとして確立できないかもしれませんが、オート
クチュール的な完全な一点ものではないが、大量生産する安価なもの
でもなく、そこそこの価格がするが、そこそこの数しかない、
「(この地域では)私だけの一点もの」というモノが生き残っていく
のです。


 こうしたモノは、大企業に小企業が打ち勝つことができる分野です。
大企業では採算が合わないからです。その生産者・販売者は小回りの
きく小企業ですが、市場一位のものを持っていますから、利益率は高
くなるでしょう。


 そして、その生産者はたくさん、雨後のたけのこのように発生する
でしょう。なぜなら、ワークシェアリングで自由な時間を持った人々
が、生きがいとして生産する場合も多いからです。でも、競争が激し
いということはありません。皆、地域などの狭い範囲での存在だから
です。しかも、生き残れるのは、ほんの少数の市場一位のホンモノ
けだからです。


 同じような理由で現在、アナログ産業でありながら、しぶとく生き
延びている産業があります。例えば、鍍金(めっき)工場です。東京
では浅草、上野などにありますが、労働集約的な業種かつ3Kの仕事
で、その数は激減しています。数が激減したため寡占状態になるとい
う意味で、生き残ったところは潤っているといえる部分がありますが、
それだけではありません。


 アパレル大手などは商社と組んで、安く加工できる中国の鍍金を使
うことが多くなっていますが、ただ鍍金をかけるだけならそれでいい
でしょう。しかし、市場一位の生産者の納得いく微妙な色遣いができ
ないといいます。大手は一時的に大量消費製品で潤うかもしれません
が、消費者の選別の目が厳しくなり、使い捨てか、すぐに廃れるでし
ょう。


 こうした微妙なさじ加減ができる産業技術は大事にしたいものです。
生き延びている工場の中でも、2つの市場一位があります。寡占状態
をうまく利用した上で、「早く、きれいに仕上げる」ことに特化する
代わりに、少量加工・高価格を維持している工場がある一方、ある程
度価格を抑えて、大量かつ迅速を特徴とする工場もあります。どちら
も市場一位のものをうまくマーケティングしています。


 アクセサリーの話に戻すと、その作り方というノウハウの講座も繁
盛すると考えます。同じ意味で、余暇が増え日曜大工が流行るので、
大工仕事の講座も繁盛しますが、大きな違いがあります。それは、
性をレクチャーする
ということです。


 もちろん感性は、教えられて持てるものではないですが、それを得
たいという欲求は強まるばかりで、まさにウォンツには際限が無いと
いう状況になる
と思われます。これは、次に述べるこころの時代に共
通します。