2007年8月14日火曜日

かつての英国型経済へ

人口が6000万人程度で、大半が「年収300万円」の国というと、
かつての英国を思い出します。


 世界に先駆け産業革命を起こし、「世界の工場」として君臨した英国
ですが、第2次世界大戦を境に、疲弊し国力が衰えていきました。その
予兆は、その最盛期(19世紀後半)から見えていたのです。産業構造
の転換に失敗したのです。当時産業の中心は繊維から鉄鋼、化学という
重工業に移っていく時期であったにもかかわらず、その転換ができなか
ったのです。それは、ドイツなど新興国との競争を避け、植民地支配に
あぐらをかいて、既存産業である繊維に固執した結果でした。


第2次世界大戦後の疲弊は著しく、立ち直りかけた後も低成長と高イン
フレに悩まされ、労働者の多くは低 賃金肉体労働者という有り様でした。


1970年代に北海油田が見つかり、英国経済を資源の面からサポート
するというラッキーなことが起こり、経済に光明が見え始めました。


 その後、鉄の宰相と呼ばれたサッチャー首相の登場で、英国は蘇ります。
英国は、伝統と格式の国で、既得特権者(ジェントルマン階級)の力が強
かったのですが、その既得特権を極力剥ぎ取り、自由化を推進しました。


その中でも金融・通信の自由化が功を奏し、金融立国として蘇りました。
ニューヨークと並んで英国のシティは、世界の中心的な金融街として英国
を支えるに至っています。ユーロが誕生した後も、その挑戦を跳ね除け、
今のところ金融街としての地位を保持しています。


 ただし、英国の現在の繁栄は、「ウインブルドン現象」と揶揄されている状況を
追認の上といえます。どういうことかというと、英国国内の産業(金融業
も含む)は空洞化したままで、外国資本が主要プレーヤーとして活躍する
状況です。英国は、そのインフラを提供するという形で経済的な利潤(雇
用や税収)を得ているということです。


こうした一連の流れは、これからの日本が歩む道をまさに示しているか
のようです。アメリカばかり見ている日本ですが、
同じ島国の英国に学ぶ
べきです。


今後、日本が向かう最初の状態は、第2次世界大戦後の英国の状況に近い
のではないでしょうか。