2007年11月9日金曜日

これからの20年を生き抜くことができない人(1)~生き抜くことができない人

これまで、これからの時代がどういう時代なのか、そして国としての
繁栄を続けるための処方箋を英国にみてきました。


 ここからは、個人が、どう生きていったらよいかを考えてみたいと思
います。


<生き抜くことのできない人>
 
 年収300万円時代を迎えるのは、ズバリ、どういう人でしょうか。


 答えは、読者の皆さんも気付いておられるでしょう。


 そう、プロフェッショナル性、専門性のない人の全てです。ほとんど
のサラリーマンの方は、これに当てはまってしまうのではないでしょう
か。


 最近ホールディング・カンパニー(持株会社)制にする企業が増えて
います。ホールディング・カンパニーの下に、既存の事業体をぶら下げ
た形です。従業員のほとんどは事業体である事業会社の社員で、少数精
鋭の一部の頭脳となるべき社員と若干の事務職だけがホールディング・
カンパニーに所属している形になっていると思います。


 まさにこれが、大企業における未来の姿です。つまり、少数精鋭のホ
ールディング・カンパニーの社員と、やはりほんの一部の事業体になく
てはならないプロフェッショナルな人(経営のプロや中心的な業務のス
ペシャリスト)だけが、これまでと同じような水準の報酬を貰い、後の
人はリストラされるか、減給されるか、ワークシェアリングの世界にい
ることになるというイメージです。


 プロフェッショナル性ということで勘違いしていただきたくないこと
があります。資格取得ブームといって、英語検定や証券アナリスト、フ
ィナンシャル・プランナー、CPA(米国公認会計士)、システム・ア
ナリストなど様々な資格を取ろうという機運が高まっていますが、こう
した資格を取ったからといってプロフェッショナル性が高まるわけでは
ないのです。勉強することはいいことだと思います。ただ、資格を取っ
たからといって、プロフェッショナルと認められるわけではないという
ことを理解すべきです。


 それは、単なる前提条件であり、単に、その分野の知識の基礎を得た
ということに過ぎないのです。これからの時代に求められるプロフェッ
ショナル性とは、そうした知識を基礎としてその分野の仕事を実行でき
る能力であり、組織そして人を動かすリーダーシップ能力なのです。究
極的には、人間力がモノをいう時代になってくるのです。


 次に、今人気を集めている公務員はどうでしょう。まさにワークシェ
アリングの世界となっていくでしょう。小泉政権時代から日本が目指し
ているものは、ずばり「小さな政府」なのです。政権が変わって短期的
には紆余曲折はあるでしょうが、そうならざるを得ない状況なのです、
日本は。国家財政、年金財政がこのままいけば破綻することが目に見え
ている中、道路公団改革にしても郵政民営化にしても、既得特権者に特
権を諦めてもらい、自由化を推進し民間に経済推進を委ねようという試
みなのです。英国のサッチャー元首相が行った改革を、非常にマイルド
な形で日本的に進めようという試みといえるでしょう。


 それ故、今後は公務員という資格・肩書きも聖域とはなりえず、民間
に任せられるものは任せ、国が行う公務はできるだけ減らしていくため、
公務員の数そのものも激減していくことになります。公務員給与も、民
間の給与水準に合わせているので、「年収300万円時代」に突入です。


 よしんば、小さな政府の試みが遅々として進まなければ、国家財政は
窮迫し、公務員給与そのものが支給できない事態になるやも知れません。
こうした事態が一時的ではありましたが、米国のある州では実際に起こ
っていることなのです。


 自営業の人はどうでしょう。全体的にみると、実はあまり影響を受け
ない人たちと言えるかもしれません。なぜなら、年収300万円といっ
ても、現在でも大半の人はその水準にあるからです。でも、現在それな
りに稼いでいる人にとっては、本当に自分が提供しているサービスなり、
商品に価値が無ければ、その地位を失うことになります。


 大半の人が年収300万円という時代になると、購買力そのものがな
くなっているので、本当に必要なモノと本当に欲しいモノしか人々は買
わなくなるからです。


 プロフェッショナル性とは、市場一位のものを持っているということ
です。市場一位といっても、大きなマーケットを想像する必要はありま
せん。大量生産・大量消費の時代は終わったのです。本当に欲しいもの
として需要のあるものは、少量生産・少量販売のものです。ですから、
小さな分野でもいいですから、そこに特化し、そこでは一番というもの
を持つこと、それがプロフェッショナル性でなのです。


 そうした市場一位のものを持っていない人は、新興市場の安価な労働
力と取って替わられて、生き延びていくことができないのです。

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