2007年8月3日金曜日

今の収入源で、大丈夫ですか?(2)~パイが小さくなっていく

<パイが小さくなっていく>

 
前回、全体のパイの拡大が続かないと書きましたが、日本全体のパイを
測る尺度としてはGDP(国内総生産)があります。新聞などで
「成長率がマイナスになった」といった表現がされるのを目にしたことが
ありませんか?この成長率というのは、GDPの伸び率のことなのです。


 高度成長時代には10%近い成長率が達成されましたが、その意味は、
日本の国富が10%近くも増えたということで、日本国民全体が潤うことが
できました。

 しかし、石油ショックを経て低成長時代に入った今、パイの拡大は限ら
れたものになりました。そうすると、言葉は悪いですが、限られたパイを
奪い合うしか、個人や企業は潤うことはできなくなったのです。

 いやな時代になったものです。


 再び高度成長の時代が来るなんて、期待している人がいるかもしれません。
でも悲しいことに、何か劇的な富が日本にもたらされるようなことがないと、
考えにくいことなのです。何か劇的なこととして考えられることとしたら、
日本領海内に原油資源などの資源が見つかる(中国との領海境界線付近で、
もしかしたら見つかるかもしれませんが)か、日本の女性の大半が急に子供
をたくさん産み始めるといったことが挙げられます。


 資源の発見が国富を増大させるということはわかりやすいかもしれません。
でも、子供が増えるとどうして国富が増大するのかはわかりにくいかもしれ
ませんね。単純に考えると、子供が増えると生産人口が増えるからなのです。


 難しい経済学的算式を持ち出すと、


 GDPの成長率=生産性の向上率+人口増加率

ということになります。


 トヨタのカンバン方式、カイゼン運動にみられるように、日本人は常に努力
しており、ある程度の生産性の向上は今後も見込めるかもしれません。それで
も、年率ほんの数パーセントです。


 それに対して、人口増加率はどうでしょう。出生率(女性が生涯の間に生む
子供の数)の低下により、現在の人口を維持できない状況にまでなっています。
2050年には、現在1億2千700万人強の人口が、1億人程度にまで縮小
すると予測されています。


 これは、高位推計、中位推計、低位推計と、順番に人口が最も多くなる推計
のうち、厚生労働省が都合よく使った中位推計によるもので、実際には低位推
計による計算の方が現実的とも言われており、その場合は2050年には1億
人を大きく下回るのです。また、21世紀の後半には6000万人程度と半減
すると言われています。英国程度の人口ですね。


 こうして考えてみると、長期的には生産性の上昇を上回る人口減少に見舞われ、
GDPの成長率はマイナスになるということです。つまり、GDP=国富は減少に向かうということであり、パイが小さくなっていくということなのです。

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