これから20年、新たな生き方の選択肢


今回から、私が2年前に書き下ろした原稿「これから20年」(仮題)に、
修正を加えてお披露目したいと思います。もちろん未完成な部分は新たに
書き加えていこうと思います。

そこで、このブログの基本的コンセプトである「豊かさ」を追求するという
ことは変わりませんが、題名がよりブログ記事の内容を表すようにと変更
いたしました。

題して、【自由人ダンの「豊か」に生きていくための思考法

本章【これから20年、新たな生き方の選択肢】の構成は、

(1) 幻想を捨て去り、現実を直視しよう
(2) パラダイム・シフトを起こす
(3) お金から自由になる
(4) 新しいライフサイクルの考え方
(5) 「自由人」という考え方
(6) 自分の大好きなことをする生き方
(7) パペチュアル・トラベラー

となっています。

 本日は、「(1)幻想を捨て去り、現実を直視しよう」です。

 先日某会社の社長とお話している時にいい話を聞きました。その人は元々近眼でメガネをかけていたのですが、一度会社を潰した時に引越やら何やらでメガネをなくしてしまったのです。でもお金がなかったのでメガネが買えなかったのです。その時、彼は新しい発見をしたのです。彼の言によると、

  「メガネがなくなって幸せになった。女性はみんなきれいに見えるし、つまらないものは見ないで済むようになった。これまではものをはっきり見ないと気が済まなかったが、はっきり見えないお陰で、物事を本質が見えるようになった。」ということです。今では彼は、不死鳥のごとく蘇りりっぱに会社を経営されています。

  この話で思うことは、人が目を通してはっきり見えているということは外観だけで、本当の本質ではない、いわば幻想ではないかということです。

 もう一つの例を挙げましょう。マトリクスのいう映画をご覧になりましたか?ご覧になっていない方のために簡単に内容の骨格を説明しますと、「人々が生きている現実と思っていた世界が幻想であり、現実はコンピューター、もっというとコードに支配された世界だった」というものです。ご覧になっていない方にはわかりにくいかもしれませんが、つまりは、「人々は幻想の中に生きていてそのことに気付いておらず、コンピューターがその幻想を作り出して人々を支配している状態が現実だった」ということです。

 あれは映画の中の話だと思う方も多いかと思います。でも、どうでしょう。

 あなたが現実と思って観ている世界は、あなたの目を通して入ってきた情報を、あなたの思考というフィルターを通して認識しているということには同意できませんか。ですから、そのフィルターが狂っているとしたら、その観えている現実とは、何になるのでしょうか?思考が作り出した幻想ということにはなりませんか。

 精神に異常をきたしていると見なされている人の行動は、普通の人からは変な行動に見えます。でも、本人は変な行動をしているとは思っていないでしょう。その行動が変な行動に見えるのは、普通の人が「常識」と考えている思考フィルターを通して見ているから、変な行動に映って見えるのです。

 でも、その常識って、何でしょう?

 そして、その常識は本当に正しいのでしょうか?

 そんなことを疑って考える人って、少ないようです。みんながそう思っているから、それは正しいと、断言できるのでしょうか?

 みんなが正しいと思っている常識に従っていたら、みんながみんな幸せになれるなら、それはそれでいいでしょう。

 でも現実には、幸せな人(幸せと感じて生きている人)と不幸な人(不幸と思って生きている人)は存在するし、楽しく生きている人もいれば、つまらないと思って暮らしている人もいます。自由な人もいれば、不自由と感じて暮らしている人もいます。お金持ちもいれば、貧乏な人だっています。ですから、常識に従っているだけでは、みんながみんな望んだ暮らしができるとは限らないのです。

 常識といわれているものさしだけをを使って生きていると、もしかしたら、あなたは幻想の中に生きているのかもしれないのです。

 高度成長期から続いた右肩上がりの経済、そしてその経済にもたれかかって生きていける生活はなくなったということは、頭では理解されているでしょう。

 でも、どれだけの人が自分の将来を見据えた行動をとっているでしょうか。マスコミの影響もあってか、最近になって資産運用ということを意識するようにはなってきましたが、真剣に行動している人は少ないようです。

 真剣に、という意味は、学校で教えてもらうこともなく、これまでお金というものについて全く勉強してこなかった人が、自助努力で自分の将来を考えるためのインテリジェンスを身につけるには莫大な時間がかかりますが、それだけの時間を確保して勉強しているという意味です。

 あなたは、サラリーマンですか?いい会社にお勤めの方だと、口では将来が不安だと言っていても、実は「自分の会社は大会社だし、それなりには出世できるだろうし、だから定年までは収入が途絶えることはないだろう。年金も今よりは減るだろうけどそれなりには貰えるし、足りなければ定年後も働けばなんとかなるだろう。」と内心思っていたりしませんか。

 自営業をなさっている方で今は商売がうまくいっている方だと、「自分の製品・サービスには自信があるし、たくさんのお客様もついている。売上も利益も順調に伸びているから、これまでのペースでいけば、老後の資金も十分に貯まる。」と思っていたりしませんか。

 ここまで楽観的でなくても、つまり幻想に捉われていないとしても、「今はそれなりにやっているし、先のことはわからないけど、なんとかなるだろう」と問題を先送りにしたりしてはいませんか?

 前者は幻想の中に生きており現状に満足してしまっているタイプであり、後者は現実を直視しないで逃げており、慣れてしまった生活に流されるタイプであり、認知的不協和を起こしているタイプともいえます。認知的不協和とは、こころの中にある二つの情報の間に不一致が生じていることで、このような状態では、その不一致を解消しようという力が働くということです。具体的には、今の経済状態や生活環境に都合の悪いことが発生しても、無視することによって、現状が保たれていると思い込もうとしてしまうことです。どちらのタイプだとしましても、将来がとても心配ですね。

 では、どうして、どちらのタイプの方も変わらない、若しくは変わろうとしないのでしょうか。

 それは、そこから抜け出すには、強い意思と信念が必要だからなのです。人は、苦痛を避け、快楽を得ようという性質を持っています。辛い決断や不安という苦痛を避けて、現状維持という“何もしない”選択をしてしまうのです。その方が楽だからです。

 もう一つ理由があります。それは、想像力が欠如しているということも挙げられます。想像力とは、広辞苑によると、「現実に知覚には与えられていないイメージ(心象)を心に浮かべること」とあります。現状から変わった後の人生をイメージできないために、恐怖を覚えるからなのです。

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